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「教える人教られる人」 昔、実験動物技術師1級資格を取るべく、東北のある町で講習を受けた。 参加者は現役の獣医師を含め、50人くらいだったと思う。 毎日、早朝より講義と実習に明け暮れ、一週間はあっという間に過ぎた。 講師は大学や製薬企業の実験動物関係で名の通った方々であったが、 受講者の中には専門的にそういった講師よりもはるかに実力を持った者もいた。 ただ、立場的に教える側と教えられる側になっただけで、欧米の実験動物技術者 資格試験の講師選抜とは大きな差が見られた。 欧米では講師になる為には、幾多の難しい試験を通じて、実験動物福祉に 理解ある人が選抜され、初めて講師となれるのである。 残念なことに、講習が終わって最後の反省会の席上で意見を求められたので、 正直に実験動物福祉について先生方の中で真剣に勉強されているとは思えないと 述べた。また、ビデオ講義でも、ただ単に最後のテロップで出来るだけ苦痛を 与えないようにしましょう。と流れているだけで、講義中も一切、実験動物福祉 について、誰も講義はしなかった。当時の責任者であった先生からは 「佐藤君がいらんことするから、福祉についても気を使わなけれならないよう になった」と答えられた時は本当にショックだった。 こんな人達が講師なら、資格なんかいらないとも思った。 幸い?試験には落ちたが、時代の先取りをする技術者を育てる講習で、 教える立場の方が国際的な視野に立って、もう少し、勉強して、望んで欲しい と思った。現在では、福祉に関しての教育も各分野では真剣に取り組まれていると 思うが、当時は関係者でさえ、そんな時代だったのである。 「エッセイ集」トップへ戻る |