「ボケ症状?」




 最近、特に忘れ物が多くなって来た。バスの車内や電車内でも座席の横に置いてある 品物なのに、降車の際に気づかず、そのまま降りて後から慌てて係の人に問い合わせ をすることがたびたびである。先日も大きな茶封筒を膝横に置いたまま、降りて慌てて 引き返したが、バスは発車したところであった。忘れ物係の人に事情を説明して、後日、 取りに行くことになったが、たまたま、封筒の表に小生の名が書いてあったので、無事に 戻って来た。もっと、ひどい時には趣味の釣りで、大失敗したことだ。錘を投げる際に 指先にかかるショックを和らげるために指サックというものがある。それを装着したまま、 防寒着を着て、先だけがはずれた状態で、袖の中に仕舞い込まれていたのに、気づかず、 一生懸命探したのである。結局、リュックサックの中や周囲の道端にも見つけることが出来ず、 一日の釣りが終わってから服を脱いだ時にポタリと何かが落ちた。よく見ると例の指サックであった。 また、通勤電車内ではあと一駅と言うところで必ず眠くなる。それまでは本など読んでいたのに、 少しだけ、休憩と目を閉じた瞬間に寝てしまうことが多い。往路は終着駅が目的地なので 問題はないが、帰路は次の駅が和歌山である。快速電車なので止まらない。 トンネルの中に入った頃に気づくが時すでに遅し、最終電車だと、和歌山から、タクシーに 乗って自宅に帰るはめになる。相当な距離なので運賃は馬鹿にならない。 夕食を作って待っている家族には怒られるわ、寝る時間はないわで踏んだりけったり である。いよいよ、ボケ症状の始まりかな?と思っているが、人間の脳は生きてゆくのに 必要な部分はなかなか、故障することはない。しかし、誰だってそう言う時期が来るし、 いずれは家族の世話になることもあろうが、ボケてしまった人間は社会のしがらみから 離れて、自分自身の殻の中に閉じこもるぶん、意外と幸せなのかも知れない。

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