「植樹祭」


先日、さる大手スーパーが地元で開業されるのにちなんで、植樹祭が開催された。地 域の主だった人を始め、私も招待を受けたが、一般公募を含めると三千人もの人が集 まった。広い敷地の周囲に盛り土がされてあり、そこに班分けされた人々が各リー ダーの指示の元に色々な木々を植えるのだ。参加者には全員、小さなスコップが無料 で配られた。普通ならば名士だとか代議士などが黄金色の鍬やスコップを持って最初 に見本となる植樹をするのだが、この日はそういうイベントは一切なく、一斉に始め られたのには好感が持てた。元々、このスーパーの名誉会長はこのような行事を通じ て日本国内に緑を広げようとするのが好きなのか、各地のチェーン店でも同じことを しているらしい。 何でも民主党の岡田代表がこの名誉会長の息子か孫に当たると参加者の一人から聞い たが、このスーパーがそういった方の系列会社だとは知らなかった。私も数万本のう ち、10本くらい植樹したが、低木、中木、高木と交互に移植していって、これらの 木々が成長し、やがてこのスーパーが緑に覆われた市民の憩いの場になれば素晴らし いと思った。早いもので高木は5〜7年くらいで7〜8メートルの高さに育つと言ってい たが、多くの子供達も一生懸命、植樹祭に参加しており、この子達が成人する頃には 立派な森になっているだろう。心配なのは台風などの自然現象による倒木や経営不振 による企業の撤退によって、管理されないまま、朽ちていくことである。大手銀行や 保険会社でさえ倒産する憂き目に遭っているのだから、このスーパーも決して安泰と は言えない。 願わくば市民の手で緑の財産を守り続けて、例え、そのようなことが 起こったとしても、自分達の手で植えた木々が毎年、若葉を実らせるように努力した いものである。

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