「初めての鮎釣り」平成14年9月6日、トラやん記

これまで色々な釣りをしたが、鮎だけはしたことがなかった。
理由は特にないが、見えにくい鼻カンを通したり、バカ高い鮎竿を買うのが
もったいなくて、知識としての鮎釣りだけであった。

今回は北海道でその苦手な鮎釣りを初めて経験した。と言っても、鼻カンを
通して、鮎のテリトリーにオトリを流し込む友釣りではなく、俗にコロガシと言う
漁法である。場所によってはこの漁法は固く禁じられているが、今回、挑戦した
川は稚魚を放流しているような川でなく、まったくの天然鮎である。

十年以上、この川の傍に住んでいる知人の所に通っているが、今年の
ように、鮎が遡上してきたのは初めてであった。昔、一度だけ、毛鉤で
小鮎を釣っていたのを見ただけで、噂で聞いたこの川の鮎もそのような
大きさだと思っていた。ところが、現場に行って見て驚いた。

体長は20センチ以上、大きいものでは25センチを超える大物もいた。
早速、近所の釣具屋さんに行き、コロガシ用の仕掛けを購入。
アジのサビキ針に似ているが、針同士をダブルにくっつけて、それを
一本の針として、都合5本針となっている。ハリスは2号くらいで、
丸玉錘の3号を先につけて、天井糸と直結した仕掛を川の中に入れて
底近くを引きずるのである。

地元の人がやっているのを見よう見真似でやったが、魚影が濃いのか
一流し目から鮎が飛びついて来た。それも20センチ以上の大物であった。
鮎は見た目はヌルヌルしているように思うが、触ってみるとザラザラした
皮膚で、これならなるほど、友釣りの針にも掛かって来ると思った。

時期的に終盤なので、身体全体にサビが浮いていたが、何しろ、天然鮎である。
仕事で長良川に行った時も老舗で出してくれた天然鮎が一匹数千円もしたので
こんな簡単に逸品が釣れるとは驚いた。内地より一ヶ月遅れで鮎が釣れ出した
ので、9月に入っても釣れたのだが、いつもヤマメしかやらないトラにとっては
思わぬ初めての経験だった。

海は夏枯れで、さっぱりの釣果だっただけに、本当に嬉しい経験だったが、
どこで情報を仕入れたのか、札幌から多くの釣り人が入川していたので、
地元の人がささやかに楽しんでいるこの釣りが来年も出来るかどうかわからない。
もし、来年も鮎が帰って来たら、トラも再挑戦するかどうかだが、たぶん、
やらないだろう。初めての経験は一夏の思い出として大事に残しておこう。