『長崎釣行記』
トラやん記


平成16年5月20日から長崎で学会があった。
毎年、各地で行われている恒例の行事だが、今年は九州支部の当番であった。
この日に合わせて、GC長崎支部長のあきらさんに事前連絡してあったので
学会が終了してから、彼の案内で大物キスが釣れる場所に連れて行って貰った。
午前4時に宿舎に迎えに来てくれて、初対面の挨拶をした。

HPではお互いに顔を知っているが、実物?同士の対面はこの日が最初であった。
訪問前のメール交換では釣り道具のうち、リールだけはトラのを持っていくと
約束してあったが、スパイク靴から、ダイワのパワーサーフと言う立派な
リールに4号糸を巻いたものとCXクラスの本格的な投げ竿を貸してくれた。
釣り場は長崎市内より1時間ほどの大瀬戸近辺で全国に名を知られた尺ギス
ポイントをジプシーしてくれた。

最初のポイントでは先客がいたが、顔の広いあきらさんが「あれはレインボーの
車谷さんと思います」と言ったので、近くまで行ってみるとやはり元カレイの
日本記録保持者の車谷氏だった。わざわざこんな所まで神戸から尺ギスを狙いに
来ているのかと聞いたが、彼は「九州に単身赴任中です」と答えてくれた。
レインボーの面々の釣行成績は半端ではなく、日本でも代表するキャスターが
多いので、別に九州遠征をしていても不思議ではなかったが、納得した。

車谷氏はすでに尺近い大ギスをクーラーに収めていたが、我々も近くで竿を
出すことにした。あきらさんの先導で地磯伝いに歩いて比較的安全な足場の良い
場所を彼が指定してくれ、さらにあきらさんはその先の磯で投擲することにした。
120〜140メートルくらい沖合いにブイが浮かんでおり、過去の実績から
その近辺が大ギスのポイントであるらしい。

あきらさんからメール交換で「リールを持って来られるなら1、5号のPEライン」
と聞いていたのが、この時点で理解出来た。
でも、そこはGC泉南支部長の意地で遠投を続けた。結構4号でも飛ぶものだ。
あきらさんの指定したブイには到着しているらしく、何度かブイを引っ掛けた。
ところが、魚からの通信はまったくない。あってもムラさんの指令を受けた
小フグ様、中フグ様が挨拶に来る程度で、20センチを少々上回るキスを一匹
釣り上げただけでこの釣り場は一時間ほどで終了した。

夜中から来ている車谷氏が帰る前に様子を見に来たので、「帰るのだったら
貴兄の場所に変えます」と言ったら、磯場を危ない足取りで歩いていた肥満トラの
身を案じてわざわざ、竿とクーラーボックスをご自分のポイントまで運んでくれた。
同じキャスター同士、こういう場所で親切な行為を受けたら一生忘れることは
ないだろう。この釣行記でも、車谷氏には心から感謝したい。

少しして、あきらさんも戻ってきたが、この短い時間に28センチを含む良型キスを
数匹ゲットしていたのには驚かされた。
最初は「小さい!」と言ってたのでトラのキスと同じくらいだと思っていたが、
この場所では28センチは「小さいキス」らしい。
車谷氏も「30センチには届いてないです」と嘆いていたが、長崎インターサーフや
神戸レインボーサーフと我々GCの大物感覚はここで完全にずれていることを実感した。(笑)

「帰る」とおっしゃっていた車谷氏はその後も一本だけ竿を出して数時間、我々と
一緒にいたが、最後に三人で記念撮影をした後、またの再会の機会を念じて
お別れした。彼の名誉があるので詳しく書かないが、この尺ギス近い大物ギス
以外にもう一本、釣り上げてすぐに岩場の隙間に落としたキスがあった。
諦めていたが帰り際に再チャレンジして、何とかそのキスを手にしたが、当初
暗い時間帯だったので大きさがわからず、相当の大型キスだと思っていたのに
手中にしてから検寸すると27センチしかなかったという現場を見せてもらった。
トラにしてみれば27センチでも充分と思うのだが、さすがに大物志向派の車谷氏
だと思った。

その後、あきらさんのご好意で、飛行機に乗る時間ぎりぎりまで実績場を何箇所も
回ってもらったが、最後のお土産釣り場である「大瀬戸漁港」で初めてトラに
25センチを上回るキスが釣れ、数もあきらさんに追いつくことが出来た。
これでようやくGC泉南支部長の肩書きに傷をつけることがなかったのでほっとした。
空港バスに乗車する前に長崎の美味しいキスを賞味して貰いたいと、発泡スチロール
の箱にあきらさんが釣ったキスも含めて、綺麗に詰めてくれた。

二年前に三本の尺ギスを一日で釣ったものの、決して嬉しくなかった長崎で、今回は
尺には届かなかったものの、長崎の暖かく優しい気持ちを心一杯にしながら、大村湾を
あとにした。

*帰阪後に食べたキスの刺身は絶品で、あきらさんが自慢していたことが証明されました。
 ここに、改めてあきらさんに厚く御礼を申上げます。有難うございました。