『泉南マイポイント釣行記』
トラやん記


平成16年5月29日、この時期だけ大型キスが釣れる泉南のマイポイントに釣行した

前日の午後10時頃から7月に発売される予定の「カタカナの墓碑」の原稿書きのため、

気が付いたら午前3時を回っていた。少しは寝ておかないと身体が持たないと、

ベッドに入ったが「朝まで生テレビ」が放映されていたので見ていると、興奮して

眠れず、放映終了後に目を瞑った。するとそのまま、泥沼のように眠りこけ、

気が付いたら7時半になっていた。慌てて支度をして、単車に乗り、FVでチロリを

千円だけ購入して、お目当てのポイントに陣取った。先客はおらず、独り占めの

状態だ。風はあるものの、南風で追い風になり、波も穏やかである。

竿はスッピン一本だけなので、早速チロリをつけ、百メートル付近に投擲した後

引き釣りを試みる。すると一投目からキス特有のアタリがあり、21センチのキスが

掛かった。その後もポツポツであるが、20センチオーバーの良型が釣れて来る。

上げるたびにサイズアップで、ひと際大きなアタリで23センチが釣れた時は嬉しかった。

他の釣り場で頑張っているGC仲間に電話をするために置き竿にしていたら、いきなり

竿が海に飛び込みそうになった。携帯を置き直して慌てて竿尻を掴む。

リーリングしていると、沖合いの浮かんでいる旗に掛かったのか巻けなくなった。

ええいままよ!と思い切り竿をあおるとズズーという感じで錘が抜けた。

仕掛けも付いているようで、錘の後方に白い大きなものが見えた。

キスであった。それも、とても大きなキスで一見して25は超えていると確信した。

上針は切れていたが下針にしっかり飲み込んでいた。

メジャーを当てると、かっきり27cm。思わず「やったー!」と叫んでしまった。

携帯で仲間に知らせた。仲間は心から祝福してくれた。

ここに来る前に「大型キスを釣って来ます」と掲示板に書いた手前、ある程度の

自信はあったが、本当に嬉しかった。例年、25〜26は釣れるが27を越すような

キスはめずらしい。ここでのレコードは過去に28,5をトラ宅のお隣さんが釣っているが

久し振りのサイズであった。その後もピンを含め、20センチ前後のキス混じりに空針に

小サバが釣れたり、小型ガッチョが釣れたりして楽しませてくれる。

昼前に仲間のJJさんに電話すると、こちらに顔を出してくれると言う。

「来るなら竿を持って来て下さい」と強引にお誘いしたら、彼は律儀に持って来てくれた。

エサも残り少ないが、使って貰って、一投目から20センチアップの良型キスを釣り上げた。

そして、第二投目。ドラマが生まれた。トラの27を超えるサイズの28pを釣り上げたのである。

実は彼はキス釣りが大の苦手で、本来は磯投げの大物釣り師なのだが、ここに来て一体どうなった

のか、続々と大型キスをゲットしているのである。近くの釣具店が主催するキスバトルにも

すでに28オーバーを提出しており、今の所、三位の地位を確保している。

「もう、キス釣りは苦手」とは言わせないとトラが言うと笑っていたが、それだけの大型を

ゲットするためには、一生懸命努力していることを知っている。

飛ばすのは超一流なので何も言わないが、仕掛けは彼なりに工夫した論理的な物を作り上げて

いる。見た瞬間に「これなら釣るだろう」と思った。

正午になったし、ジェットボートも走り出したし、10投もしていないJJさんを誘って

軽食を取った後、釣行前にエサを買った釣具屋さん(泉佐野のフィッシングV)の店長である

三澤氏に釣果を見せに行った。彼は目を丸くして驚いていたが、「泉南でこんな大きなキスが

揃うとは?」と感心していた。せっかく釣ったキスもJJさんはどうぞと言ってくれたので

有難く頂戴することにして、店で別れてから魚が大好きな元老人会会長宅に持って行ったが

ここでもびっくりされていた。このポイントは6月中旬までが大型が狙えるが、その後は

ピンに置き換わる。数釣りの嫌いなトラは他の場所にキスを求めて移動するが、まだ、

しばらくはここに通うつもりである。